ザ・バークレイズ

2007年8月23日-8月26日   ★★★

ニューヨーク州ハリソン、ウエストチェスター・カントリー・クラブ

ついに始まった一と月間にわたるフェデックス・カップ・プレイオフス、その最初のトーナメントはウエストチェスター・カントリー・クラブのザ・バークレイズだ。144人で始まったバークレイズが翌週は120人、その翌週70人とフィールドが絞られ、そして最後のツアー・チャンピオンシップは例年通り上位30人のゴルファーで争われる。最初の二つは足切りあり、最後の二つはカットなしだ。

しかしその注目された最初のプレイオフのバークレイズを、いきなりランキング1位のタイガー・ウッズがパス、トップ・ゴルファーを揃えることで盛り上げようとしたはずのツアーの試みがいきなり水を差された形になった。ウッズはたとえ一度もプレイしなくともプレイオフ3つ目のBMWチャンピオンシップまでは楽勝で届きそうだし、ブリジストン、全米プロと疲れたようだし、それよりも休息する方を選んだのはわかるが、それでも苦虫を噛み潰したようなコミッショナーのティム・フィンチェンの顔が見えるようだ。

さて、そのバークレイズ、3日目を終わって14アンダーで首位はスティーヴ・ストリッカー、13アンダーでK. J. チョイ、12アンダー、ハンター・メイハン、リッチ・ビーム、10アンダー、ウッディ・オースティン、ロリ・サバティーニ、ジオフ・オグルヴィと続く。

最終日は中盤でストリッカーとサバティーニが14アンダーで並んで首位に立つ。その下は3打差11アンダーで団子だったためこの二人で決まりかと思わせといて、バック・ナインで二人ともボギーが嵩み、またもや3打差内に10人くらいのゴルファーがひしめく混戦模様となる。後退しだしたサバティーニに代わりストリッカーに追いついたのは、12番と15番の二つのパー4で、いずれも50フィート超のまさかのロング・パットを決め、14アンダーとなって単独首位に立ったチョイ。チョイは最初の8ホールを3オーヴァーで、たぶんダメだろうと思われた後に挽回してくるなど、本当に勝負強くなった。チョイ先行、ストリッカー追撃という構図で思い浮かぶのは先頃のナショナルで、またその再現かと思わせる。

だが、今度はストリッカーが意地を見せ、220ヤードの16番パー3でバーディを奪ってチョイに追いつき、続く17番パー4でもバーディを奪い、15アンダーとなって単独首位に返り咲く。チョイは18番パー5で最低でもバーディをとってなんとかプレイオフに持ち込みたいところだが、第2打を引っかけてグリーン左バンカーへ。刻んでいったストリッカーは第3打をカップまで7フィートに寄せ、バーディ・チャンス。チョイのロング・サンド・ショットはカップまで15フィート残し、結局バーディ・パットを外す。チョイがパー・パットを沈めた後、2パットで優勝のストリッカーは7フィートのバーディ・パットを決めて有終の美を飾った。最終スコアはストリッカー16アンダー、チョイ14アンダー、サバティーニ13アンダー、オグルヴィ、アーニー・エルス、マーク・カルカヴェッキア12アンダー、ビーム、フィル・ミッケルソン11アンダーだった。

これでフェデックス・カップ・ポイントは1位ストリッカー、2位チョイ、3位サバティーニ、4位ウッズ、5位ミッケルソン、6位シング、7位フューリック、8位ジョンソン、9位スコット、10位エルス。ストリッカーは最近また上位に絡むようになってきたが、これでツアーは4勝にしかならないのだそうだ。もっと勝っていると思った。しかも2001年の勝利はオーストラリアで行われたマッチ・プレイだったし、それ以前の優勝だと11年前のウエスタン・オープンまで遡るらしい。ストリッカー自身ももう勝てないかもと思っていたそうで、優勝を決めた後、泣いていた。そういえば昔いつもそばでキャディをしていた奥さんも今は見なくなった。いつの間にやら時が経ってたんだなあ。



 
 
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