Axe Cop   アックス・コップ 

放送局: FOX 

プレミア放送日: 7/21/2013 (Sun) 21:30-21:45 

製作: ADHDステュディオス 

製作総指揮: ヘンド・バグダディ、マシュウ・チャドウィック 

クリエイター: イーサン・ニコール、マラカイ・ニコール 

声: ニック・オファーマン (アックス・コップ)、ケン・マリノ (フルート・コップ)、ミーガン・ムラリー (アニタ) 

  

物語: 昼は警官、夜はスーパーヒーローとして働くアックス・コップは、深夜ビルの屋上でむせび泣くバット・ワートホッグを目に留める。彼の友だちは皆、ザ・キン グ・オブ・バッド・ガイズに盗まれてしまったというのだ。アックス・コップはライボーグやアーミー・チワワの力を借りてバット・ワートホッグの友だちを奪回するべく行動を開始する‥‥ 

  

High School USA!   ハイ・スクールUSA! 

放送局: FOX 

プレミア放送日: 7/21/2013 (Sun) 21:45-22:00 

製作: ADHDステュディオス 

製作総指揮: ヘンド・バグダディ、マシュウ・チャドウィック 

クリエイター: ディノ・スタマトポロス 

声: ヴィンセント・カートハイザー (マーシュ)、ネイサン・バーナット (ブラックステイン)、T. J. ミラー (ブラッド)、マンディ・ムーア (カサンドラ)、ゾーシャ・マメット (アンバー)、ディノ・スタマトポロス (メリウェザー) 

  

物語: マーシュは人のためによいことをしようと考える高校生だ。しかしクラスメイトのブラッドが、いじめで告発されてしまう‥‥


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アニメーション専門チャンネルのカートゥーン・ネットワークは、深夜放送枠を「アダルト・スウィム (Adult Swim)」と称して、特にアニメーションに限らず、斬新なテイストのコメディを編成している。それでもSxxt、Fxxkといった四文字言葉やヌード描写は厳禁だが、放送規制コードぎりぎりのところで危ない番組を製作している。 

  

今回FOXが挑むのも、同様の路線だ。元々FOXはアニメーションと縁が深く、毎日曜夜は、今でもアメリカで最長寿のスクリプト番組である「ザ・シンプソンズ (The Simpsons)」を筆頭とするアニメーション枠、その名も「アニメーション・ドミネーション」を編成している。今回その経験を生かし、新たに土曜深夜に大人のアニメーション・ファンのための「アニメーション・ドミネーション」の姉妹版編成枠を作った。そのプレミア・エピソードを、今回特別に日曜の家族向け「アニメーション・ドミネーション」枠で放送するものだ。 

  

一方「アックス・コップ」も「ハイ・スクールUSA!」も、実はその過激な内容に特色があるのだが、さすがにネットワークのプライムタイムに放送するには弊害があると見えて、番組としては最も過激さが薄いエピソードを持ってきている。しかし、実は番組の特色が色濃く出て面白いのは、当然のことながら深夜に放送される第2話以降だ。 

  

「アックス・コップ」は、インターネットで発表当時まだ5歳の子供、マラカイ・ニコールのアイディアをそのまま膨らませてみましたという触れ込みの番組で、20代の兄のイーサンが作品化した。子供が好きなもの、要するに、ヒーロー、怪獣、お化けに下ネタが満載だ。特に第2話「ゾンビ・アイランド‥‥‥イン・スペース (Zombie Island… in Space)」は、リミッターを外した、これでもかと思えるお下劣ウンチ・ネタが番組中に横溢する奇想天外な快作? となっている。 

  

アックス・コップの元をイザベラが訪れる。科学者の父ドクター・Mは、 かつてアドルフ・ヒトラーに拉致されて以来、杳として行方が知れなかったが、イザベラは父がゾンビ・アイランド・イン・スペースでまだ生きている可能性があることを突き止め、アックス・コップに協力を要請してきたのだ。ゾンビ・アイランドは、ヒトラーが考え出した、決して死なないゾンビ軍隊を生み出す施設で、空中に浮かぶ要塞だった。アックス・コップら一行は空飛ぶ恐竜ネクスターに乗ってゾンビ・アイランドを目指す。 

  

イザベラは父の残したヴィデオテープ・メッセージを発見するが、それに映っていたのは、バッド・ゾンビをグッド・ゾンビに変換することのできる新薬開発にもう一歩というところまで迫っていながら、ゾンビに食い殺された父の姿だった。イザベラはゾンビ・アイランドに残って、父の研究を完成させる決心をする。 

  

一方、ドクター・Mの脳を食って天才的な頭脳を手に入れたウンチ・ゾンビのドクター・ドゥー・ドゥーは、手下のゾンビを駆使してゾンビ・ロボットを開発、それに乗ってロンドンを攻撃してバッキンガム宮殿を陥落させ、強引にエリザベス女王と結婚の儀を挙げる。ドクター・ドゥー・ドゥーが狙っていたのは女王の持つ王笏で、これを利用して世界征服を企んでいた。王笏はドクター・トゥー・ドゥーの呪いを倍加させて世界中に発信、この呪いにかかった者は、そのままウンチを垂れ流して死んでしまう。 

  

しかしその呪いの光線もアックス・コップには通用しない。なぜなら、栄養変換効率100%の身体を持つアックス・コップは、食べたものはすべて消化して代謝とエネルギーに変えてしまうため、ウンチしないのだった。アックス・コップはドクター・ドゥー・ドゥーを退治し、ドクター・Mの研究を完成させたイザベラはグッド・ゾンビの編隊を率いてバッド・ゾンビを駆逐し、かくして世に再び平和がもたらされた、めでたし、めでたしというわけで話は終わる。こんな無茶苦茶な話ってあるか! 

  

だいたい、ウンチと結婚を強制させられるエリザベス女王って、イギリス国民の怒りを買わないでいいのか。こんなの、日本の皇室を使って同様の話を作って放送したりしたら、作った者はかなりの確率で右翼の手によってこの世から消される気がする。一方で、ジェット・バッグを担ぎ空を飛ぶゾンビ編隊なんてイメージは斬新で、数年後にはこの設定を用いたSFゾンビ・ドラマが現実に現れるかもしれない。 

  

また、ウンチ光線を浴びてクソまみれになって死ぬはずのアックス・コップが、実は栄養変換効率100%の身体を持っているからウンチせず死なないというバカミス100%丸出しの屁理屈には、ほとんど感心してしまう。なるほど、そんな理由づけがあったか。などと、確かに5歳のガキが考え出しそうな奇想天外なホラ話に多少の血肉と薀蓄を加えて捏造したアニメーションが、「アックス・コップ」なのだった。 

  

一方の「ハイ・スクールUSA!」も、いじめを題材にしたプレミア・エピソードよりも、セクスティングを題材にした第2話の方が毒が利いている。セクスティングとはセックス+テキスティングの造語で、セックス関連の話題や写真をテキストすることだ。もちろんそれが外部に漏れたりすると、芸能人の場合はスキャンダルになるのは言うまでもないし、一般人でもいじめの原因になりやすい。

 

アンバーのボーイフレンドのブレントが自分の局部をスマフォで写真に撮って送ってくる。恋人同士、そのくらいどうってこともないが、しかし写っているブレントの一物はどう贔屓目に見ても誉められたものではなく、思い悩んだアンバーは友人のカサンドラに見せて相談する。むろんカサンドラはその写真を学校中の人間にばら撒く。 

  

マーシュはブレントの窮地を救うための妙案を思いつく。要は一人だけ裸の写真があるから問題になる。その他の世の中の男全員が同じことをすれば、それはもう当たり前のことになって、誰も問題にしなくなる。そこでマーシュの提案によって、学校中の男子生徒が皆マスタベーションをしながら写真を撮ってテキストするが、言い出しっぺのマーシュがなぜだか色々外部のことが気になっておちんぽが立たず、この歳で既にEDかという展開。 

 

もしこんな話を実写で見せられたりしたら、正直言ってストレートの男性は見る気にならないと思うが (逆にゲイの男の子は萌えるかもしれない)、アニメだから特に下品にもならずに済んでいるということはあるかと思う。しかし一般的な男性の私から見ると、やはり話としては、女子生徒が自分のおっぱいや局部の写真をボーイフレンドに送ってそれが流れて、結果として学校中の女の子が自分の裸を撮ってテキストする、というのを実写でやってもらう方が最もありがたいかなと思うのだった。 










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Axe Cop

アックス・コップ   ★★1/2

High School USA!

ハイ・スクールUSA!    ★★1/2

 
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