昨年のタイガー・ウッズの劇的な勝利もまだ記憶に新しいAPインヴィテイショナル、しかし今季は膝の手術後、復帰してこれまでの2戦はまだ本調子というには今一つ。一方APはウッズ復活を本気でアピールするに相応しいトーナメントと言える。また以前のようなドラマティックなウッズを見せてもらいたい。


3日目を終わって7アンダーで首位はショーン・オヘアで、彼は昨年も優勝に絡んでいたし、コースと相性がいいようだ。その下が5打差2アンダーのウッズ。その下1アンダー3位にザック・ジョンソン、今田竜二、ジェイソン・ゴアの3人が並ぶ。ウッズはこれで最終日に5打差をひっくり返せるようなら本当の復活だろうが、しかし、さすがにいくらなんでもいきなり5打差の逆転は、2000年のペブル・ビーチがあるとはいえ、ちょっと、何度もできることじゃないだろう。


さて最終日は2番パー3でウッズがバーディを奪って3アンダーになった後、3番パー4でウッズ、バーディで4アンダー、オヘア、ボギーで6アンダーで2打差。ウッズは4番パー4でボギーで3アンダーとなるも、7番パー3でウッズ、バーディで4アンダー、オヘア、ボギーで5アンダーと1打差。これはわからなくなってきた。


オヘアは9番パー4でバーディをとるも、続く10番パー4でボギーでまた1打差。勝負の大きなポイントは14番パー3で、目玉でバンカーに捕まったウッズに対し、オヘアはフリンジとはいえカップまで12フィートと充分入れ頃。ウッズのエクスプロージョン・ショットはカップを15フィート・オーヴァー。しかしウッズはこれを沈めパーを拾う。一方オヘアのバーディ・パットはかすかにカップ下にそれ、オヘア、バーディ、ウッズ、ボギーの可能性が、 二人ともパーで上がる。続く15番パー4でウッズは25フィートのバーディ・パットを沈めて5アンダー、ついに二人は並ぶ。こうなると14番のパー・セイヴは非常にでかかった。


オヘアは続く16番パー4で第2打を池に落とし、これを見たウッズはバンカーからの第2打を無理せずに刻んで行き、第3打をピンに絡め、パー。オヘアはボギーとなったため、ついにウッズは5アンダーで単独首位。しかしウッズは17番パー3でまたまたティ・ショットが目玉でバンカーに捕まり、アップ&ダウンに失敗してボギー、二人は今度は4アンダーで並ぶ。


そして昨年の劇的なバーディ・パットを思い起こさせる18番パー4で、ウッズはまたまた20フィートのバーディ・パットを迎える。ここでまたこれ入れて勝ったら、ちょっと人間技じゃないよな、しかしこいつ、なんか入れてきそうな気がする、でも、本当に入ったら怖ええよ、なんて思いながら見ている目の前で、そのパットはカップに吸い込まれた。エキサイトするというより絶句してしまった。


ウッズ得意の摺り足ガッツ・ポーズと、腕組みしながらじっとそのパットを見ていたオヘアの対照が印象的だった。これでウッズはツアー66勝目。誰にも文句を言わせない完全復活。言葉もない。オヘア4アンダー2位、ジョンソン2アンダー3位、ジョン・センデン、ニック・ワトニー、パット・ペレス、スコット・ヴァープランク1アンダー4位、なんてその他の順位を言っても、結局ウッズのドラマの前にはまったく霞む。








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アーノルド・パーマー・インヴィテイショナル

2009年3月26日-3月29日   ★★★1/2

フロリダ州オーランド、ベイ・ヒル・クラブ・アンド・ロッジ

 
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