アクセンチュア・マッチ・プレイ・チャンピオンシップ

ついにタイガー・ウッズが昨年6月の全米以来8か月振りに戦線に復帰する。先週は

フィル・ミッケルソンもエンジンがかかり始め、やっとここへ来て本格的に今季のツアーが始まったという気がする。


初日のカードはもちろん注目は養生明けのウッズのでき具合。ウッズは周囲の不安など蹴散らすような安定したゴルフで、オーストラリアのブレンダン・ジョーンズを3&2で退ける。膝をかばう様子もなく、どうやら完治しているようでほっとする。一方ミッケルソンはアルゼンチンのエンゲル・カブレラと対戦、途中まで4アップとリードしておきながら、14番から17番まで4ホール連続で落として、19ホール目でやっとバーディを奪ってカブレラを退けた。ストローク・プレイだろうがマッチ・プレイだろうが、とにかく独り相撲をとるところが本当にいかにもこの人らしい。


木曜の2回戦はウッズは南アのティム・クラークと対戦、フロント・ナインを終わって共に2ホールずつとってのオール・スクエア、しかしウッズはアドヴァンテージがあるはずの11番と13番の両パー5で共にバーディをとれずにホールを失い、12番パー3でもこの日パー3でアイアンがフラッグによく絡んだクラークがバーディをとったことで、いきなりクラークが3アップとリードする。


14番パー4ではしかし、ウッズはグリーン脇の難しい角度からのサンド・ショットを直接カップに放り込むバーディで2ダウン、反撃の狼煙かと思わせといて、続くリーチャブルの15番パー5でティ・ショットを右に曲げてアンプレイヤブル、1ペナルティ後の第3打のティ・ショットをグリーンに乗せ、これを入れればまだわからない15フィートのパー・パットはカップ脇をかすめて通り過ぎ、またクラークの3アップ。


ドーミーとなった16番パー3ではまたもやクラークがティ・ショットをカップまで5フィートにつける。残るホールをすべてとらなければ勝ちはないウッズのグリーン下からのチップはしかしカップまで届かず、クラークが4&2でウッズを下した。特にウッズの調子が悪かったとは思わないが、しかしインで得意のパー5で2ホール共にクラークにホールをとられたのが痛かった。特に13番のバーディ・パットはカップに弾かれなければ2ダウンのままで、続く14番で一つ返しており、1ダウンとなっていればかなり風向きは変わったはず。さらに15番でもあそこでティ・ショットを右に曲げなければと悔いは残るが、まあ負ける時というのはこんなもんだろう。


しかし昨年も一昨年も、3ダウンや4ダウンから追い上げるというゴルフを見せていたし、やはり完全復活とまでは言えないか。いや、身体を見る限り特に不調という風には見えなかった。やはり足りていないのはここぞというところでの勝負カンだろう。こればかりは今後トーナメントに出てとり戻すしかあるまい。復帰して最初のトーナメントが、いきなり最も研ぎ澄まされた勝負カンを必要とするマッチ・プレイというところが敗因だった。


一方ミッケルソンも金曜にスチュアート・シンクに1ダウンで破れ、ウッズを下したクラークも、今度はロリ・マキルロイに4ダウンとまったくいいところなく破れた。これで週末の準決勝のカードは、マキルロイ、ジオフ・オグルヴィ、アーニー・エルス、シンク、ショーン・オヘア、ポール・ケイシー、ロス・フィッシャー、ジャスティン・レナードの8人。イングランドのフィッシャーなんて、初めて名前を聞いた。


土曜午前の準々決勝はオグルヴィがマキルロイを、シンクがエルスを、フィッシャーがレナードをそれぞれ2&1で下し、ケイシーがオヘアを4&3で下す。午後の準決勝はオグルヴィがシンクを4&2で、イングランド勢同士の対戦となったケイシー vs フィッシャーは、ケイシーがフィッシャーを2&1で下す。


決勝はオグルヴィの調子がよく、ケイシーに付け込む隙を与えない。午前の18ホールをオグルヴィ3アップで終え、午後もその好調を維持する。一時オグルヴィ6アップまでリードし、このまま大味のまま終わるのかと思わせといてケイシーも一踏ん張り、4ダウンまで挽回するも、結局そこまで。ドーミーとなった33ホール目でグリーン上で先にパットしたオグルヴィがバーディを決めて勝負に決着をつけた。オグルヴィはケイシーのパットをコンシードしてスコア上は4&3でケイシーを下したことになったが、オグルヴィ5アップの可能性もあった。


どちらかというと決勝より面白かったのがコンソレーション・マッチのシンク vs フィッシャー戦で、15番を終わって1ダウンだったシンクが、16番から18番まで3連続バーディ、18番はグリーン脇バンカーから直接第3打をカップに放り込むウッズのような劇的な逆転で1アップで勝った。去年はシンクは決勝でウッズに負けてんだよなあ。優勝したわけではないがこれで少しは鬱憤が晴らせたか。ところでメキシコで同日程で行われたマヤコバ・ゴルフ・クラシックは、マーク・ウィルソンが13アンダーで勝ち、2年前のホンダ・クラシックに続いてツアー2勝目を上げた。








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2009年2月25日-3月1日   ★★1/2

アリゾナ州マラナ、ザ・リッツ-カールトン・ゴルフ・クラブ

 
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