アクセンチュア・マッチ・プレイ・チャンピオンシップ

2004年2月25-29日   ★★★

カリフォルニア州カールスバッド、ラ・コスタ・リゾート&スパ

初日、タイガー・ウッズが、上位シード・ゴルファーの欠場のために振り替えで出場しているジョン・ロリンズを相手に、13ホールを終わって2ダウンとリードを奪われる。番狂わせが起こるのはマッチ・プレイの怖いところとはいえ、昨年のこのトーナメントの覇者であり、世界ランキングNo. 1のウッズが初日から負けるところなんか見たくない。結局ウッズはなんとか盛り返し、18番パー5でバーディを奪って1アップで決着をつけたが、レティーフ・グーセンのように負けてしまう上位シード・ゴルファーもやはり多い。丸山茂樹や片山晋呉、伊沢利光らの日本人ゴルファーも初日で全員姿を消す。


2日目は雨で完全なウォッシュ・アウト、金曜の3日目に2回戦と3回戦が詰め込まれる。4日目の土曜も準々決勝と準決勝の2ラウンドが行われ、決勝まで残った場合は36ホールスをプレイしなければならないから、これで勝ち進んでいくためには3日連続で36ホール・プレイだ。素人が遊びで毎日2ラウンドずつするならこんなに楽しいことはないが、勝敗が収入に直結するプロは、そんなことも言ってられまい。とはいえ、早いラウンドで負けるのは、もっと嫌だろうが。


ウッズはその後調子を取り戻し、2回戦、3回戦をまったく危なげなく勝つ。その他3回戦を終わってベスト8に駒を進めたのは、パドレイグ・ハリントン、スティーヴン・リーニー、イアン・ポールター、ジェリー・ケリー、ダレン・クラーク、デイヴィス・ラヴ3世に、フィル・ミッケルソン。ここでラヴとミッケルソンが潰しあいをするのはもったいないという気もするが、まあ、しょうがない。


その土曜朝の準々決勝は、ウッズがハリントンを2&1で下し、その他、リーニーがポールターを1アップ、クラークがケリーを4&3、ラヴがミッケルソンを1アップでそれぞれ下す。最も見応えがあったのがラヴ vs ミッケルソン戦で、リーニー vs ポールター戦は、ほとんど画面に映してもらえなかったのだが、これも一時は4アップとリードしたリーニーにポールターが1ダウンまで盛り返したわけで、マッチとしてはかなり面白かったに違いない。それにしてもウッズは、マッチ・プレイになると本当にリードしていても1.5フィートのパットでも容易にコンシードしない。ウッズを応援している私でも、そこまでけちけちしないでもいいじゃないかと思ってしまった。


午後の準決勝は、ウッズが粘るリーニーを17番パー4でのバーディで2&1で突き放して勝ち、一方のラヴ vs クラーク戦はもつれる。ラヴは2アップでリードしていた13番から4連続でホールを落とし、いきなり2ダウンへ。それから今度は残る2ホールをとって勝負はエクステンデッド・ホールへと、見る分には申し分ないが、やる方にはきっと大変だろうジェット・ローラー・コースター・マッチを見せてくれる。バック・ナインはほとんど分けたホールがなかった。しかしこれもマッチ・プレイの醍醐味の一つだよな。結局勝負は21ホール目でラヴがクラークをうっちゃったが、この日のラヴは午前中のミッケルソンといい午後のクラーク戦といい、この日、最も面白い勝負を続けて演出した。もしクラークが勝てば2000年の決勝の再現だったんだが、そうは問屋が卸さなかった。


決勝は、午前の18ホールを終わってラヴが1アップ。しかしラヴのパットが入ればもっと差がついてもいい内容だった。しかし、いずれにしても午後の18ホールはウッズがみすみす差を広げさすまい。案の定、ウッズはフロント9であっさりとひっくり返し、あっという間に今度はウッズが3アップとなる。結局ラヴはパットが決まらないためにその差を縮めきれず、3&2でウッズがアクセンチュア・マッチ・プレイのバック・トゥ・バック・ウィナーになった。しかし、マッチ・プレイで2年連続優勝って、要するにマッチ・プレイ12連勝ってことで、うーむ、ただただ単純にすごいやつだ‥‥3位決定戦は、クラークがリーニーを2アップで破った。クラークもマッチ・プレイではかなり上位に来る確率が高い。あの厳しい視線を見ると、クラークも負けず嫌いなんだろう。やはりマッチ・プレイで勝つコツというのは、とにかく絶対負けるものかと思うことか。







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