ワールド・チャンピオンシップ・シリーズの一環であるが、今回は正月明け直後、しかも南半球のオーストラリアでの開催ということもあって、主要ゴルファーが大挙して欠場、これじゃあ面白くない。タイガー・ウッズもデイヴィッド・デュヴォールもフィル・ミッケルソンもデイヴィス・ラヴ3世もコリン・モンゴメリもリー・ウエストウッドもセルジオ・ガルシアも出ないワールド・チャンピオンシップってか。大会名が泣くぞ。それでもついTVのスイッチをつけてしまうところが、習い性になっているというか、だったら見ない、と大声で言えないゴルフ・ファンの性の哀しさである。流石にシリー・シーズンまでは見なかったが、今大会からは一応ちゃんとした新シーズンだからな、と自分で自分を騙していそいそとTVの前に陣取る。時間差があるためプライムタイムにゴルフ中継を見ている。女房の視線が痛い。


主要ゴルファーがいないため、二線級、と言ったら失礼だが、日本からも大挙して出場している。そんじゃ今回はジャパニーズ・ゴルファーの応援でもするか。と思っていたら初日、伊沢利光 vs スティーヴ・ペイト戦で、お互いに1フィートのパットにOKを出さないという情けない試合を見てがっかりする。そりゃあもちろんプロだって1フィートをミスることもあるだろうが、こういう時はやせ我慢してでもコンシードしろよ。これが決勝戦だったり、ライダー・カップだったりするならまだ話はわかるが、まだ若いトーナメントの1回戦だぞ。ペイトは試合の後、生涯で最もみっともない試合だったと言っていたが、あんたにもその責任の半分はある。


2日目はこないだのアメックス・チャンピオンシップで善戦した田中秀道が、アーニー・エルス相手に最初の3ホールでいきなり3アップとなってこれは番狂わせかと思ったが、しかし第1シードのエルスがここで破れてしまったら、ほんとにメジャーなゴルファーがいなくなって大会自体が面白くなくなってしまう。どうしようどちらを応援するべきか、と思っている間に追い付かれ、結局エルスが1アップで勝った。この日一番面白かったのは、全米プロでウッズと死闘を演じたボブ・メイを相手に、4ダウンから追い上げて勝った丸山茂樹の勝ちっぷりであった。2ダウンで迎えた17番から、連続して30フィートのバーディ・パットを沈めて追い付き、22ホール目でうっちゃった試合は見事でした。


3日目は3回戦と準々決勝が行われた。丸山は3回戦でもマーク・マクノルティを下し、準々決勝はなんとヴィージェイ・シングやスチュワート・アップルビーという名だたる強豪を倒した谷口徹との日日対決で、ここまで来て潰し合いはもったいないが、しょうがない。丸山はここでも一時は4ダウンまで押されていたのを1ダウンまで挽回したが、15番で谷口が40フィートのバーディ・パットを決め、またもや谷口2アップ。今度は丸山も追い付けず、2&1で勝負がついた。これで残っているのを見ると、ひえーっ、ほんとにエルス以外は世界ランキング上位がいない。今回はほんとに見甲斐がないな。と言いつつ翌日も見るのはわかりきっているんだが。


さて、4日目準決勝はスウェーデンのピエール・フルケがエルスを2&1、もう1試合はスティーヴ・ストリッカーが谷口をやはり2&1で下した。数年前までは結構勝ち星があってそれなりにメジャーだったストリッカーはともかく、ヨーロピアンPGAのフルケは聞いたこともない。それにしてもストリッカーはいつもベイスボール・キャップをかぶってプレイするのだが、今回彼がいつの間にやらほとんど禿げているのを見てびっくりした。最近勝ってなかったから彼が帽子をとったのを見たのはほとんど久し振りだったからな。私よりずっと若いはずなのに。ああびっくり。


最終日決勝は、ストリッカーとフルケの試合に惹かれなかったので、専ら谷口とエルスの3位決定戦を中心に見た。エルスはショットがぶれて精彩を欠き、谷口が4&3と、世界第2位を危なげなく下した。私は谷口という名前を聞くのはこれが初めてだったのだが、日本にもまだまだ有望なゴルファーはいるんだなと知った。日本でだけプレイしていても充分食ってはいけるんだろうが、PGAでもプレイしてみればいいのに。







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アクセンチュア・マッチ・プレイ・チャンピオンシップ

2001年1月3-7日   ★★

オーストラリア、メルボルン、メトロポリタン・ゴルフ・クラブ

 
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