昨年は同時多発テロの影響でキャンセルされたアメリカン・エキスプレス・チャンピオンシップ、今年はアイルランドに場所を移して開催された。翌週は今回は欧州を舞台としてのライダー・カップなので、一昨年には大挙して出場をパスした主要ゴルファーも今回はほとんど出場、ワールド・ゴルフ・シリーズらしいメンツが揃った。


勝負の方は初日にいきなりタイガー・ウッズがコース・レコードの65を出し、翌日も65で首位を守る。と思ったら3日目にはスコット・マッカロンが64でいきなりレコードを更新する。要するにこのコース、EPGAツアーに組み込まれておらず、プロがあまりプレイしていないんだろう。アイルランドにしてはリンクス・コースではなく、何も知らずに見たらアメリカのコロラド辺りのコースかなと勘違いしそうだ。


3日目を終了時点でウッズは19アンダー、14アンダーで固まっている後続集団に5打差をつける。リードしていて最終日を迎えた場合のウッズの逃げ切り率を考えると、ウッズの優勝はほぼ確実と見た。


そしたら最終日は、さらにロウ・スコアが続出する。まずセルジオ・ガルシアが62で回り、4日間で3回目の新コース・レコードを打ち立てる。しかし結局ガルシアは18アンダーでコース・アウト、この時既に上位陣のスコアは20アンダー以上になっており、この数字が優勝スコアとなることはないだろう。次にこの日二人目の62を叩き出したのは、レティーフ・グーセン。グーセンは15番パー4、16番パー4、17番パー5をバーディ、バーディ、イーグルで上がり、いきなり24アンダーまでスコアを伸ばす。もしかしてこの数字ならウッズをとらえきれるかもしれない。


しかし次のパーティでプレイするウッズも17番でバーディを奪い、26アンダーとなり、グーセンに2打差、さすがにこれで勝負あっただろう。ウッズはこのトーナメント、初日からボギー・フリーでラウンドしており、4日間ボギーなしで優勝するのは、なんと74年のリー・トレヴィノ以来となるそうで、そちらの方の記録もかかる。


結局ウッズは最後の最後、72ホール目で5フィートのパー・パットを外してボギーとなってしまったが、トーナメント自体は1打差でグーセンをうっちゃって優勝した。18番で第2打を打とうとした時、バック・スウィングに入ったウッズのすぐ後ろでシャッターを切ったカメラマンのために集中力を乱したのがありありで、結局第2打を右奥のラフに入れてしまい、そこからのアップ&ダウンに失敗した。あのカメラマンのバカ。


21アンダーで3位にはヴィージェイ・シング、20アンダーで4位にはデイヴィッド・トムスとジェリー・ケリー、19アンダーで6位にはスコット・マッカロンが入り、ガルシアは結局単独7位に終わった。いずれにしてもウッズは今季5勝目で、60-63年のアーノルド・パーマー以来、約40年ぶりに4年連続で年間5勝以上を記録したゴルファーになった。さて、次はライダー・カップだ。







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アメリカン・エキスプレス・チャンピオンシップ

2002年9月19-22日   ★★★

アイルランド、キルケニー、マウント・ジュリエット・エステイト

 
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