American Ballet Theatre -- Rodeo       

アメリカン・バレエ・シアター -- ロデオ

2005年11月4日    NYシティ・センター

NYシティ・センターで行われる「フォール・フォー・ダンス・フェスティヴァル」の2005年秋のシーズン、アルヴィン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアターやポール・テイラー・ダンス・カンパニー等のよく知られているところから初耳のところまで、様々な個人/団体がパフォーマンスを繰り広げる。今回我々が選んだのはアメリカン・バレエ・シアター (ABT) のパフォーマンスだ。

この日の演目はピーター・クアンツ振付けの「カレイドスコープ (Kaleidoscope)」、ジェローム・ロビンスの「牧神の午後 (Afternoon of a Faun)」、マリウス・プティパの「海賊 (Le Corsaire)」から第2幕のパ・ド・ドゥ、そしてメインが「ロデオ」という構成。

特に幻想的な「牧神の午後」は非常によかったし、パワーに満ち溢れた「海賊」のパ・ド・ドゥは、見せ場だから当然とはいえ、満場から割れんばかりの喝采を博していた。

しかし問題は、トリの「ロデオ」である。アメリカ南部を舞台とするこの演目、登場人物が頭の上で目に見えない投げ縄を振り回し、しかもその行為の途中で静止するという、正直に言って珍妙としか思えない振付けで、それを大勢のユニゾンでやられるもんだから、私たち夫婦は逆受けしてしまった。まずい、舞台では全員真面目に演じているというのに、思わず吹き出しそうになって、横にいる女房を見たら、こちらは顔が真っ赤になって、笑い出しそうになるのを必死にこらえている。口を開くと爆笑しそうになるので、ほっぺたを膨らませたまま必死に口を閉じているので、呼吸困難になって涙を流しながら喘いでいた。

これはダメだ、と途中退場を覚悟したのだが、一応最初の笑いの発作を乗り切ると、あとはくすくすとはどうしてもしてしまうが我慢できないほどではなく、なんとか最後まで乗り切る。しかし、あんなのがレパートリーか。そりゃあ我々は門外漢だが、なんか吉本見に行ってるような気になってしまった。よほど「海賊」のパ・ド・ドゥを見て帰った方が満足度は高かった。ABTには悪いが、「ロデオ」がレパートリーの一つであるという理由がどうしても解せん。


演目:

「カレイドスコープ (Kaleidoscope)」: ジリアン・マーフィ、ジュリー・ケント、イーサン・スティーフェル、デイヴィッド・ホールバーグ

「牧神の午後 (Afternoon of a Faun)」: マリア・リチェット、マキシム・ベロセルコフスキー

「海賊 (Le Corsaire)」: パロマ・ヘレーラ、アンヘル・コレーラ

「ロデオ (Rodeo)」: ジャレッド・マシュウズ、サッシャ・ラデツキー、シオマラ・レイエス、ケリー・ボイド





 
 
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