2016年9月18日に発表のあった第68回プライムタイム・エミー賞 (The 68th Annual Primetime Emmy Awards) 受賞番組と、私の予想成績と反省。
コメディ助演男優 (Supporting Actor in a Comedy Series)
私の予想は: キーガン-マイケル・キー「キー&ピール」
受賞したのは: ルイ・アンダーソン「バスケッツ」
トランスジェンダーを演じると票を得やすいな。
コメディ助演女優 (Supporting Actress in a Comedy Series)
私の予想は: アナ・クラムスキー「ヴィープ」
受賞したのは: ケイト・マキノン「サタデイ・ナイト・ライヴ」
「サタデイ・ナイト・ライヴ」からゲスト・パフォーマンスではなくてレギュラーとして受賞するのは初めての快挙だそうだ。
コメディ主演女優 (Lead Actress in a Comedy Series)
私の予想は: ジュリア・ルイス-ドレイファス「ヴィープ」
受賞したのは: ジュリア・ルイス-ドレイファス「ヴィープ」
やっと少し当たり出す。例年通り。
コメディ主演男優 (Lead Actor in a Comedy Series)
私の予想は: トマス・ミドルディッチ「シリコン・ヴァリー」
受賞したのは: ジェフリー・タンバー「トランスペアレント」
今回はタンバーはないと思った。これでコメディの受賞男優は主演助演共にトランスだ。
リアリティ・コンペティション (Reality-Competition Program)
私の予想は: 「アメリカン・ニンジャ・ウォリアー」
受賞したのは: 「ザ・ヴォイス」
来年に期待する。
リミテッド・シリーズ/TV映画助演女優 (Supporting Actress in a Limited Series or a Movie)
私の予想は: メリッサ・レオ「オール・ザ・ウェイ」
受賞したのは: レジーナ・キング「アメリカン・クライム」
受賞自体には異議はないが、「アメリカン・クライム」がドラマではなくてリミテッド・シリーズになる理由がいまいち合点が行かない。せめて「ファーゴ」みたいに新シーズン毎にキャスト総入れ替えしてくれるとか。
リミテッド・シリーズ/TV映画助演男優 (Supporting Actor in a Limited Series or a Movie)
私の予想は: ボキーム・ウッドバイン「ファーゴ」
受賞したのは: スターリング・ブラウン「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン」
もしかして「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン」は私が思っていた以上に評価されていたのかもしれない。
リミテッド・シリーズ/TV映画主演女優 (Lead Actress in a Limited Series or a Movie)
私の予想は: サラ・ポールソン「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン」
受賞したのは: サラ・ポールソン「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン」
番組を見た時は、ポールソン、クレイマーそっくりと思ったんだが、授賞式で本人と共に出席して隣りに座ると、特に似てるとも思わなかった。しかしクレイマー、かなり見られることを意識してる。もしかして顔、ちょっといじったか。
リミテッド・シリーズ/TV映画主演男優 (Lead Actor in a Limited Series or a Movie)
私の予想は: コートニー・B・ヴァンス「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン」
受賞したのは: コートニー・B・ヴァンス「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン」
印象としては彼が主演みたいなものだったし。
TV映画 (Television Movie)
私の予想は: 「オール・ザ・ウェイ」
受賞したのは: 「シャーロック: 忌まわしき花嫁」
今回完全に外したものの一つ。本当にまったく露ほども考えもしなかった。
リミテッド・シリーズ (Limited Series)
私の予想は: 「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン: アメリカン・クライム・ストーリー」
受賞したのは: 「ザ・ピープル vs O. J. シンプソン: アメリカン・クライム・ストーリー」
あれだけ話題になったから。
ヴァラエティ・トーク・シリーズ (Variety Talk Series)
私の予想は: 「コメディアンス・イン・カース・ゲッティング・コーヒー」
受賞したのは: 「ラスト・ウィーク・トゥナイト (Last Week Tonight)」
ここもかすりもしなかった。ジョン・スチュワートのレガシーってのはあるようだな。
ヴァラエティ・スケッチ・シリーズ (Variety Sketch Series)
私の予想は: 「インサイド・エイミー・シューマー」
受賞したのは: 「キー&ピール」
「キー&ピール」は確か最終回を迎えているし、それも関係あったかも。
ドラマ助演女優 (Supporting Actress in a Drama Series)
私の予想は: モウラ・ティアニー「ジ・アフェア」
受賞したのは: マギー・スミス「ダウントン・アビー」
「ゲーム・オブ・スローンズ」ばかりになっちゃったから、逆にその隙をついてスミスが漁夫の利を得たという感触強し。
ドラマ助演男優 (Supporting Actor in a Drama Series)
私の予想は: ジョン・ヴォイト 「レイ・ドノヴァン」
受賞したのは: ベン・メンデルスゾーン 「ブラッドライン」
まったくわかりませんでした。
ドラマ主演男優 (Lead Actor in a Drama Series)
私の予想は: マシュウ・リス「アメリカンズ」
受賞したのは: ラミ・マレック「ミスター・ロボット」
ここもまったく予想できなかったけど、むろんマレックでも文句はない。
ドラマ主演女優 (Lead Actress in a Drama Series)
私の予想は: ケリ・ラッセル「アメリカンズ」
受賞したのは: タティアナ・マスラニー「オーファン・ブラック」
これまた意外。マスラニーはずっとノミネートされ続けても受賞はないと思っていた。
コメディ (Comedy Series)
私の予想は: 「ヴィープ」
受賞したのは: 「ヴィープ」
今年も外しまくるなあと思っていたところだった。
ドラマ (Drama Series)
私の予想は: 「ゲーム・オブ・スローンズ」
受賞したのは: 「ゲーム・オブ・スローンズ」
ま、最後に主要部門は当ててほっと一息。
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9月18日以前に発表のあったマイナー部門の受賞予測。
リアリティ・ショウ・ホスト (Host For A Reality Or Reality-Competition Program)
私の予想は: スティーヴ・ハーヴィ「リトル・ビッグ・ショッツ」
受賞したのは: ルポール・チャールズ「ルポールズ・ドラグ・レース」
これまた意外としか言いようがない。
ドキュメンタリー/ノンフィクション・シリーズ (Documentary or Nonfiction Series)
私の予想は: 「メイキング・ア・マーダラー」
受賞したのは: 「メイキング・ア・マーダラー」
ここは鉄板で予想して外すやつがいるとも思えん。
ドキュメンタリー/ノンフィクション・スペシャル (Documentary or Nonfiction Special)
私の予想は: 「メイプルソープ: ルック・アット・ザ・ピクチャーズ」
受賞したのは: 「ホワット・ハップンド、ミス・シモーン?」
唯一黒人がテーマの番組という点が肝だったようだ。
ヴァラエティ・スペシャル (Variety Special)
私の予想は: 「ザ・レイト・レイト・ショウ・カープール・カラオケ・プライム・タイム・スペシャル」
受賞したのは: 「ザ・レイト・レイト・ショウ・カープール・カラオケ・プライム・タイム・スペシャル」
やっぱ巷にカープール・カラオケを定着させたし。
アニメーション (Animated Program)
私の予想は: 「アーチャー」
受賞したのは: 「アーチャー」
これは単にまぐれ。
アンストラクチャード・リアリティ・プログラム (Unstructured Reality Program)
私の予想は: 「ゲイケイション」
受賞したのは: 「ボーン・ディス・ウェイ」
どちらもマイノリティに焦点を当ててはいる。
ストラクチャード・リアリティ・プログラム (Structured Reality Program)
私の予想は: 「リップ・シンク・バトル」
受賞したのは: 「シャーク・タンク」
「シャーク・タンク」は完全に根付いたな。
インフォマーシャル・シリーズ/スペシャル (Informational Series Or Special)
私の予想は: 「ヴァイス」
受賞したのは: 「アンソニー・ボーデイン: パーツ・アンノウン」
「ヴァイス」はインフォマーシャルというよりは、やっぱりドキュメンタリーだよなあ。
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総評 (反省と今後の対策)
今年は27部門予想して、当たったのは9部門。勝率3割3分と、また低迷。「O. J. シンプソン」がリミテッド・シリーズでここまで賞を独占することが読めなかったこと、およびドラマとコメディで、「ヴィープ」が善戦したものの全体的に賞が割れて予想しにくかったことが大きい。
さらにTV界は映画界と違って黒人やラテン系も多く活躍しているために、アカデミー賞のように賞を白人が独占するというようなことがなく、これまた票が読み難い。いいことではあるんだが、今後ストリーミング番組の台頭もあってさらに業界が多様化していくことが予想されるため、賞の予想はさらに難しくなるだろう。
今年のエミーのホストはジミー・キメル。今年は大統領選挙の年で、業界のほとんどはドナルド・トランプを毛嫌いしているので、同様にトランプ・ネタを随所に挟みながらの進行。それにしても本当にトランプが大統領になる可能性があるんだろうか。アメリカ人が本当にそこまでバカだとは思えないんだが。「ヴィープ」で主演女優賞を受賞したルイス-ドレイファスが、父が死んだばかりということでエモーショナルになりながら、番組がコメディとして始まったのに、トランプの台頭のおかげでドキュメンタリーになってしまったというスピーチも印象的だった。
いずれにしても若いミレニアル世代がどんどんTVを見なくなっているため、エミー賞中継の視聴率は史上最低を更新。こちらの方の歯止めもかかりそうになく、これは誰がホストしても同じことだろう。