2010年8月29日に発表のあった第62回プライムタイム・エミー賞 (The 62nd Annual Primetime Emmy Awards) 受賞番組と、私の予想成績と反省。






















コメディ・シリーズ助演男優


私の予想: ジェシ・タイラー・ファーガソン「モダーン・ファミリー」ABC

受賞したのは: エリック・ストーンストリート「モダーン・ファミリー」ABC


毎年初っ端は必ず外す。今回はしかし方向性は悪くなかった。



コメディ・シリーズ助演女優


私の予想: ジェイン・リンチ「グリー」FOX

受賞したのは: ジェイン・リンチ「グリー」FOX


ここはこれっきゃないと思っていた。



コメディ・シリーズ主演男優


私の予想: アレック・ボールドウィン「30ロック」NBC

受賞したのは: ジム・パーソンズ「ザ・ビッグ・バン・セオリー」CBS


やっとパーソンズに陽の目が当たったか。



コメディ・シリーズ主演女優


私の予想: イーディ・ファルコ「ナース・ジャッキー」ショウタイム

受賞したのは: イーディ・ファルコ「ナース・ジャッキー」ショウタイム


よしよし。いまんところなかなか悪くない。



リアリティ/コンペティション・プログラム


私の予想: 「ジ・アメイジング・レース」CBS

受賞したのは: 「トップ・シェフ」ブラヴォー


ついに「アメイジング・レース」の牙城崩れる。



ドラマ・シリーズ助演男優


私の予想: マイケル・エマーソン 「ロスト」ABC

受賞したのは: アーロン・ポール「ブレイキング・バッド」AMC


去年はエマーソンだったのに。



ドラマ・シリーズ助演女優


私の予想: エリザベス・モス「マッド・メン」ABC

受賞したのは: アーチー・パンジャビ「ザ・グッド・ワイフ」CBS


やはり外れ癖がついてきた。



ドラマ・シリーズ主演男優


私の予想: マシュウ・フォックス「ロスト」FOX

受賞したのは: ブライアン・クランストン「ブレイキング・バッド」AMC


クランストン3連覇。「ブレイキング・バッド」はここまで評価されていたか。



ドラマ・シリーズ主演女優


私の予想: キラ・セジウィック 「ザ・クローザー」TNT

受賞したのは: キラ・セジウィック 「ザ・クローザー」TNT


番組が最終回にならない限りセジウィックにはチャンスはないと半分本気で思っていたのに。うれしい驚き。



ヴァラエティ/ミュージック/コメディ・シリーズ


私の予想: 「ザ・デイリー・ショウ・ウィズ・ジョン・スチュワート」コメディ・セントラル

受賞したのは: 「ザ・デイリー・ショウ・ウィズ・ジョン・スチュワート」コメディ・セントラル


いつまで勝ち続けきれるか。



ミニシリーズ/TV映画助演女優


私の予想: スーザン・サランドン「ユー・ドント・ノウ・ジャック」HBO

受賞したのは:ジュリア・オーモン「テンプル・グランディン」HBO


オーモンかサランドンとは言っているのだが。



ミニシリーズ/TV映画助演男優


私の予想: マイケル・ガンボン「エマ (Emma)」PBS

受賞したのは: デイヴィッド・ストラザーン「テンプル・グランディン」HBO


「テンプル・グランディン」強し。



ミニシリーズ/TV映画主演女優


私の予想: クレア・デインズ「テンプル・グランディン」HBO

受賞したのは: クレア・デインズ「テンプル・グランディン」HBO


もっと「テンプル・グランディン」で固めておけばよかった。



ミニシリーズ/TV映画主演男優


私の予想: アル・パチーノ「ユー・ドント・ノウ・ジャック」HBO

受賞したのは: アル・パチーノ「ユー・ドント・ノウ・ジャック」HBO


このジャンルで唯一の「テンプル・グランディン」以外からの受賞。ま、主人公の男性という存在がなかったからしょうがない。



ミニシリーズ


私の予想: 「ザ・パシフィック」HBO

受賞したのは: 「ザ・パシフィック」HBO


昨年の仇討ちという感じか。



TV映画


私の予想: 「テンプル・グランディン」HBO

受賞したのは: 「テンプル・グランディン」HBO


後半は結構当たっている。



ドラマ・シリーズ


私の予想: 「マッド・メン」AMC

受賞したのは: 「マッド・メン」AMC


すごいな。3連覇だ。



コメディ・シリーズ


私の予想: 「グリー」FOX

受賞したのは: 「モダーン・ファミリー」ABC


ちゃんと候補には挙げていたが。




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8月29日以前に発表のあったマイナー部門の受賞予測。



リアリティ・ショウ・ホスト


私の予想: ジェフ・プロスト「サバイバー」CBS

受賞したのは: ジェフ・プロスト「サバイバー」CBS


元祖リアリティの強さか。



ドラマ・シリーズ、ゲスト男優


私の予想: ジョン・リスゴー「デクスター」ショウタイム

受賞したのは: ジョン・リスゴー「デクスター」ショウタイム


印象に残ったからねえ。



ノンフィクション・スペシャル


私の予想: 「ジョニー・マーサー: ザ・ドリームズ・オン・ミー (Johnny Mercer: The Dream's On Me)」TCM

受賞したのは: 「テディ: イン・ヒズ・オウン・ワーズ (Teddy: In His Own Words)」HBO


まるっきり見当つかなかったから外れても当然。



ノンフィクション・シリーズ


私の予想: 「ザ・ナショナル・パークス: アメリカズ・ベスト・アイディア」PBS

受賞したのは: 「ザ・ナショナル・パークス: アメリカズ・ベスト・アイディア」PBS


この部門が当たったのは初めてじゃないだろうか。



リアリティ・プログラム


私の予想: 「アンダーカヴァー・ボス (Undercover Boss)」CBS

受賞したのは: 「ジェイミー・オリヴァース・フード・レヴォリューション」ABC


本気で思い切り外した。



アニメーション


私の予想: 「ザ・シンプソンズ」FOX

受賞したのは: 「ディズニー・プレップ&ランディング」ABC


「プレップ&ランディング」は30分1本きりの特番で、シリーズ番組でもないのにノミネートされるのかと思っていた。これに上げるために今年ちょっとカテゴリーをいじったんだな。



短編アニメーション


私の予想: 「ロボット・チキン」カートゥーン

受賞したのは: 「ロボット・チキン」カートゥーン


もちろんまぐれ。




総評 (反省と今後の対策)


今回のエミーは4年前と同じく8月開催、その理由も同じで、各ネットワークが持ち回りで中継しているエミーの今年の中継がNBCの番に当たっており、9月に入ると週末にNFL中継が入るNBCは、その前にエミー賞を終わらせておく必要があったためだ。今年は25部門予想して当たったのは13部門と、久方ぶりに勝率が5割を超す。後半、連続して当てて挽回した時には胸を撫でおろした。来年もこの調子で行きたい。


ホストは現在NBCでコナン・オブライエンの後を継いで「レイト・ナイト (Late Night)」のホストを担当しているジミー・ファロン。そのファロンがオープニングのモノローグで、NBCに西海岸でホストを頼まれたよ、ホスト違いじゃないよね‥‥みたいな感じでギターを片手に弾き語ると、カメラが換わってそこにはそのオブライエンが映る、というのが今回最も受けたギャグだった。むろん年初の深夜トーク界に起こったごたごたをネタにしたギャグだ。実はオブライエンは、「ザ・トゥナイト・ショウ (The Tonight Show)」でエミーにノミネートされていたのだった。一応ノミネートされている限り、オブライエンのような若輩が会場に姿を現さないというのは許される選択肢じゃなかったんだろう。考えたらNBCが中継した4年前のエミーのホストこそ、誰あろうオブライエンだった。


式次第のそもそものオープニングでは、ファロンがFOXの「グリー (Glee)」の面々と一緒に歌い踊り、それに時の人ベティ・ホワイトとAMCの「マッド・メン (Mad Men)」のジョン・ハム,「30ロック (30 Rock)」のティナ・フェイや「ケイト・プラス8 (Kate Plus 8)」のケイトまで加わってミュージック&ダンスを繰り広げる。ファロンは白のTシャツにジーンズという姿で会場に現れた初めてのホストだろう。ファロンの「レイト・ナイト」は、バック・バンドのザ・ルーツと一緒に必ず音楽を絡めたギャグをかまし、それが特色でもある。今回も歌ったりギター弾いたりピアノ弾いたりと、ここまで音楽を絡めたホスティングを見せた者はこれまでなかった。好みは分かれると思うが、私は楽しんだ。オスカーをホスティングする時のビリー・クリスタルですら、ここまでは歌うまい。


前回と同じく、最も重要な番組賞以外は、コメディ、リアリティ、ドラマ、ヴァラエティ、TV映画/ミニシリーズと、ジャンルごとに一斉に賞を与える体裁がとられた。個人的に残念だったのが、今年最終回を迎えたABCの「ロスト (Lost)」からノミネートされた面々が誰も受賞できなかったこと。しかし、それは接戦だったことの証明でもあり、だからといってたぶん今、「マッド・メン」と並んで最も質の高い番組作りをしている「ブレイキング・バッド (Breaking Bad)」からの二人が主演男優と助演男優をさらっていったことに関しては、なんの不満もない。


最も意外だった受賞の一つが「ザ・クローザー (The Closer)」でドラマの主演女優賞のキラ・セジウィックで、自分でノミネートしておきながら、たぶんとるのはグレン・クロース、マリスカ・ハーギテイ、ジュリアナ・マーギュリス辺りのエミー受けする者たちの誰かだろうと内心では思っていた。ティナ・フェイによって名を読み上げられたセジウィックは、ちゃんと感謝するべき人の名を記した紙を持って壇上に上っていた。自分にも可能性はあると信じていたからか、それとも単に万一を考えていただけか。もし受賞して大事な人に感謝するのを忘れると、後で尾を引くらしいから。


番組内で随所に挟まる映像ギャグでは、今回功労賞的な博愛活動賞を授与されたジョージ・クルーニーが、特に「モダーン・ファミリー (Modern Family)」のゲイ・カップルを演じるジェシ・タイラー・ファーガソンとエリック・ストーンストリートとの間に挟まれているというのも笑えた。オスカーの生涯功労賞同様、エミーでもこの賞を恒例としていくつもりなのだろうか。


リアリティ・ショウ・ホストのカテゴリーは式次第から外れ、CBSの「サバイバー (Survivor)」ホストのジェフ・プロストの受賞は、すでにその前に行われていたクリエイティヴ・アーツ・エミー・アウォーズ (Creative Arts Emmy Awards) で発表済みだった。一昨年のエミーではリアリティ・ショウ番組のホスト陣が大挙してホストを任せられたが、今ではこのジャンルの人気もやや下火だ。FOXの「アメリカン・アイドル (American Idol)」ですら今後は怪しい。さて、新シーズンを迎えるアメリカのTV界は、これからどう変化を遂げるのか。








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